県防災訓練参加報告(詳細=その2)

六万石

2010年10月08日 21:27

特別寄稿:県総合防災訓練に参加して(その2)   浜 富美子

さて、今回参加の超目玉は、なんと聴覚障害者が、「ケガ人」の役を志願したことです。

災害があったときには人を選ばず怪我を負います。耳の聞こえない者が怪我をし、救助に来てくださった人と適切に意思疎通がとれなければ、救ってもらえる命も救ってもらえないかもしれない、という不安に私は常に駆られていました。そのためには訓練場で実際にやってみないと、救助の様子がわかりません。そこで志願したわけです。

主会場の入り口が出演場。大きなカードを首にぶらさげました。それには「ケガ人ナンバー」や「ケガの種類」などが書かれていました。私のカードは「NO.20 左大腿部骨折歩行困難」でした。
左腕には呼吸回数や脈拍、血圧などが書かれた小さなカードが撒きつけられました(病院に入院した時つけるもの)。

いよいよ芝の上に転がされ救助隊を待ちます。
さっそく駆けつけてくれた隊員が声をかけてきました。
A隊員 「xxxx」(なにか言っている)
難聴者「痛い痛い。え? 何ですか。聞こえないのでわかりませんが・・」

A隊員は、くちゃくちゃになった紙を取り出し、なにか書き始めました。
A隊員(紙で)「どこが痛いのですか」
難聴者(ほっとして)「左足が痛い。動かせない。血が出ていませんか?」(気迫の演技!)
A隊員(紙で)「大丈夫ですよ。すぐに救助がきますから」

B隊員登場。A隊員が、さきほど書いた紙を引継ぎ、何か話しています。
難聴者「痛い!痛い!」(名演技)
B隊員が先ほどの紙の「大丈夫」のところを何度も指差してくださった。
そして赤ちゃんをあやすように軽く肩をたたき「大丈夫」「大丈夫」と。

(続く)


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