難聴者のコミュニケーション勉強会

六万石

2010年11月05日 20:46

難聴者のコミュニケーション勉強会(カタクリの会・長野難聴合同会)   

報告(その1)
講演:有川陽子さん(松本市障害者生活支援福祉担当)

講演要旨
1 要約筆記奉仕員派遣事業について
  ・ 県内の状況(派遣件数の多いところ)
      松本市  手話:1219件 要約筆記:271件
      長野市  手話:713件  要約筆記:58件
      塩尻市  手話:517件  要約筆記:146件
      安曇野市 手話:300件  要約筆記:12件
      佐久穂町 手話:265件  要約筆記:0件
      上田市  手話:128件  要約筆記12件
      諏訪市  手話:90件   要約筆記:30件
  ・ 障害者の社会参加・生きがいが目的なので、派遣は個人の状況に応じて判断している。
  ・ 派遣できない場合・・・学校授業、企業、宗教、営業目的は派遣できない。
    フリーマーケットで聴覚障害者が子供支援のための資金集めなどには派遣できる。
  ・ 手話・要約筆記の講習会は毎週行われている(質の向上を目指して)
  ・ 質の向上とは、対象者にきちんと伝えること。通訳者の自己満足であってはならない。
  ・ 登録者の更新は年1回行っている。

2.支援現場から難聴者に
  ・ 難聴者自身が自分の難聴に気づいていないことがある。
  ・ 聞こえないことを周囲に言えない人が多い。
  ・ 障害者権利運動の自覚がない。まず自分の困っていることを声に出すことから始めたい。 
  ・ 声に出すことで行政に知ってもらうことができる。 

3.申請について
  ・ 利用者の申請⇒市の担当(コーディネイト)⇒通訳者決定⇒通訳現場⇒活動報告書(市へ提出)⇒賃金支払
  ・ 賃金は1時間1500円。

4.窓口業務で
  ・ 利用者は2級、3級、6級の人が多い。
  ・ 窓口に来た方に「書きましょうか」と言っても断られることが多い。
  ・ 横で書いても、あまり見ない。残存聴力でコミをとろうとする人が多い。
  ・ コミュニケーションの問題で、職場や家庭で「もがいている」。
  ・ 孤立してしまうことが多いので、「カタクリの会」などを紹介している。
  ・ コミュニケーションに悩み、「うつ病」になる人もいる。
  ・ 神経をすり減らして勤め上げた人は、退職後も人との交わりを避けるようになる。
  ・ ろう者は「筆談」、「口話」では分かりにくい。
  ・ 口話教育を受けて社会に出た人達が、ストレスで会社を辞める人も多い。
  ・ 難聴者は自分から「書いて」と声に出すことが大切。
2010.11.5
                                                  

関連記事