焼き場に立つ少年
<つぶやき万華鏡>(投稿記事
焼き場に立つ少年
長野日報社の寄稿欄に
「焼き場に立つ少年・敗者のプライドについて今言っておくこと」
と言うタイトルで一枚の写真が載っていた。
戦争の写真としてかなり有名らしい。
私は全然知らなかった。
白黒の小さな写真だが一目見て釘付けになり、寄稿文を読んで涙が出てきた。
同名のタイトルで1945年長崎撮影ジョー・オダネルとある。
10歳に満たない少年が赤子を背負って両手の指をしっかり伸ばして、
まっすぐ前を見直立不動の姿である。
裸足の少年の背には、きりっとひもで背負った赤子がぐったり首を後ろに垂れている。
眠っているのかとみたが亡くなっているという。
何と痛ましい姿か。
原爆投下からこの写真の日までどのように過ごしてきたのか。
寄稿者は、
「この少年は日本の歴史と近代を背負い、
微動だにせず敗者としての尊厳を守っている。
大東亜戦争に至る間の日本の歩んだ道、その歴史の幕を、
この少年は見事に引いてくれたのである」
と結んでいる。
戦争とは?
罪もなく、何の関わりの無い普通の少年をこのような姿にしたのは?
あまりの惨さに言葉もない。
(Fumi)
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