2012年05月21日

難聴の「体験談」とは何事か

<投稿記事>

難聴者は、あちこちで「体験談」を依頼される。

私も要約筆記通訳というものの存在を世に広めるような努力をしたいと思って、
できるだけお受けしてはいる。 
中途失聴・難聴者の者の実態を知っていただく機会を与えられるのは、ありがたいとは思う。

でも、「体験談を」は、ないでしょう。

「体験談」とは、たとえばエベレストに登った体験とか、
受験の合格体験記とか、
一定の過去のある空間において自分が文字どおり「体験し」たことを述べるものであり、
その体験を語る時点においては、自分が体験していたそのときの時間・空間から抜け出て、
違った時空間の中で述べられるものであろう。

難聴者は、昨日も今日もまた明日も、この時空間から抜け出すことはできない。

「難聴者が要約筆記サービスを受けた時の体験談をお話ください」、
「難聴者の日常生活をお聞かせください」
「どんなことにお困りかお聞かせください」・・・
ならよい。

難聴者は、聴者の想像もつかない「異次元空間」に暮らしている。
お伝え出来る部分をお伝えし、
それが「共生」というイデアを理解するためのお役に立てることは大変ありがたいと思う。
しかしそれは「体験談」ではないのです。                             (J)


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