2012年10月12日

障害者政策委員会

障害者政策委員会
ニュースレター(No.4) 2012.10.5
障害者政策委員会委員 全難聴副理事長 新谷友良

【障害者政策委員会第2 回小委員会】
10 月1 日、障害者政策委員会「教育、文化的諸条件の整備等」小委員会の2 回目の会合がありました。議題は、下記の2 点です。
●高等教育における障害学生支援
●障害者が文化的諸活動に参加しやすい環境の整備(ソフト・ハード両面)

私たち中途失聴・難聴者は、障害者の中では高等教育に進んでいる方の割合が高く、また文化的活動に参加されている方も多いので、会議への意見提出にあたって、理事の方などから積極的なコメントが頂けると思っていましたが、余り多くのコメントは頂けませんでした。新谷提出の意見の多くは、全難聴外の協力団体、機関のご協力によります。

「高等教育」に関して多く出た意見は、「入学にあたって障害を理由として差別すべきでない、また入学・就学中とも相談支援を充実させるべきである」という点でした。

一部の委員からは、知的障害者や発達障害者への高等教育を保障する意味から、「教育のレベルについては柔軟な対応を」という意見も出ましたが、「高等教育には人材育成という使命もあり慎重な対応を」という意見も出ました。

最近は大学進学率も高まり大学の人材育成機能に疑問符も付きますが、高等教育での学力による選抜と障害者の問題は、もっと議論すべき課題のように感じました。

今回文科省が報告した障害学生の数はH23年度で約1 万人、学生比率で約0.3%と非常に低い数値となっています。文科省の数値把握は「障害者手帳保持者と健康診断結果」とあるので、「この障害範囲の把握の仕方は障害者障害者基本法の規定と異なる」と質問しましたが、「健康診断結果も加味しているので、基本法の規定に沿ったもの」との回答でした。
「健康診断の基準はどうなっているのか?」と再質問しましたが、「大学によって区々」との回答です。

また、ノートテーク支援などのボランティアの報告がありましたので「大学教育の本質に係る部分でボランティアに頼るのは疑問がある。専門的な要約筆記者にノートテークを依頼するのが本来の姿では?」と発言しました。

2 番目の議題「障害者が文化的諸活動に参加しやすい環境の整備」については委員の中からはパラリンピックや障害者スポーツ大会を評価する意見が出ました。
新谷よりは、DVD の字幕付与問題を上げて、「問題が経産省や総務省と関連する面が多いが、この場でそのような問題も議論するのか」と質問しましたが、今後の進め方について事務局で再検討する、との回答でした。
22 年度の著作権法の改正で、DVD の字幕付与に著作権が制限されるようになりましたが、DVD の字幕付与は遅々として進
んでいません。

また、文科省より劇場等の環境整備について「新法に沿って進めている」との説明がありましたので、どのような法律なのか聴きましたら、今年6 月に公布された「「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」とのことです。
ソフト面の改善をうかがす法律なのでハード面には言及していないとの説明でしたが、国の役割として、劇場、音楽堂等に係る環境の整備その他の必要な施策の策定、実施(第6条)が謳われています。この辺りは「情報・アクセス」の小委員会の議論につなげていく必要があると思います。


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Posted by 六万石 at 10:04│Comments(0)全難聴
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