2011年11月25日

東日本大震災聴覚障害者救援中央本部

東日本大震災聴覚障害者救援中央本部
救援ニュース第9号

【発行責任者】東日本大震災聴覚障害者救援中央本部事務副総括中村愼策

「震災時における障がい者支援と今後の防災対策に対する要望」を公明党へ提出しました。

10 月7 日、公明党災害対策本部・障がい者福祉委員会合同会議で各団体へのヒアリングが行われました。当連盟からは要望文書を出し、東日本大震災に関する現状および防災計画等に盛り込むべき課題に対して聴覚
障害者の立場から要望しました。その内容は以下の通りです。

1.東日本大震災に関する現状に対する要望

(1)被災聴覚障害者の生活を支える相談支援を充実するための予算を確保してください。

・手話通訳者、要約筆記者、盲ろう通訳介助者、聴覚障害者相談員の設置・派遣を充実させる必要がありますが、復興に予算が多く回され、障害関係予算の確保が困難です。国の復興予算を障害者対策と特定して充当するようにしてください。

(2)被災地での障害者の就労の促進について具体的な対策を講じてください。

(3)原発事故での被災障害者へ以下の対策を行ってください。

・原発事故による賠償を障害者が漏れなく受けられるように支援を行ってください。特に聴覚障害者は情報を得にくく、また説明が理解しにくいことがあり、障害者対象の説明会を開催するなどきめ細かい配慮をするよう働きかけてください。

・県外避難している聴覚障害者への情報保障について、被災者を受け入れている自治体に、きめ細かい配慮がなされるよう働きかけてください。

(4)情報保障を徹底してください。

・テレビ放送への手話、字幕の挿入を拡大してください。
・官邸記者会見のインターネット配信では手話通訳者が配置されていますが、テレビニュースでは話し手のみの映像が流されます。理由は手話通訳者が話し手とは別のカメラで収録され別画面にして挿入しているからです。手話通訳者を話し手の横に立たせ一つのカメラで収録することで同一画面に映るように政府に働きかけてください。

(5)政府広報やホームページの問い合わせ先には電話番号だけでなくFAX番号も併記するように働きかけてください。

・政府広報[生活再建ハンドブック](改訂増補版)掲載の問い合わせ先がほとんど電話番号だけになっています。担当部局に問い合わせたところ、次号では留意するとの回答でしたが、現在紙媒体だけでなくダウンロードできるようにホームページにアップされています。印刷物は間に合わないでしょうが、データへの追加挿入はできるはずですので、すぐ追加挿入するよう働きかけてください。

(6)「災害時要援護者」制度が機能しているのかどうか検証のうえ実情を公表してください。

2.防災計画等に盛り込むべき課題と要望
(1)国、都道府県、市町村等で復興計画を策定する際には障害当事者団体を必ず参加させてください。

(2)東日本大震災での「災害時要援護者」制度の有効性を検証し、対策を見直し、周知徹底を図ってください。

(3)東日本大震災での障害者の被災実態を調査し、障害者に関する防災マニュアル・ガイドラインを全
自治体で作成してください。また作成に当たっては障害当事者を必ず参加させてください。

(4)災害時行政等公的機関だけでは被災障害者の支援は不可能であったことが今回の震災でも立証され
ています。個人情報保護法を改定し、支援団体特に障害当事者が構成主体になっている支援団体への障害者名簿の開示を法制化してください。

(5)救援には公的機関・施設だけでなく障害当事者団体もあたっています。それら支援団体は民間であり、資金面で余裕がなく活動に支障をきたしました。支援団体への活動助成が受けられるよう国が支援する制度を作ってください。

(6)当連盟は従来から官公庁の問い合わせ先に電話番号だけでなく、FAX番号の併記の義務付けを要望し続けていますが、実現の道が見えません。平常時の施策が災害時でも踏襲されますので、政府のすべての連絡先公表に際してのFAX番号の併記を義務付けてください。
                               (以上)
岩手県で「ホッと手話まつり」が開催されました
11 月6 日(日)、岩手県立福祉の里センターにおいて救援中央本部の企画「ホッと手話まつり」が開催されました。今回は、救援中央本部としてマジックショーの開催とお弁当、ケーキを提供しました。45 名の参加者があり、世界聴覚障がい者マジシャン大会(2010 年イタリア)で優勝したデフ・マジシャンのNOBU(ノブ)さんの華麗なマジックショーに会場は皆さんの笑顔であふれていました。「大船渡市、陸前高田市ではケーキ屋さんが津波で流されてしまったため、生のケーキは本当に久しぶり。」と色とりどりのケーキに目を輝かせていました。久しぶりに会った方たちもいらして、このように集まる場を作ることの大切さを感じました。救援岩手本部の高橋本部長から「被災地のろうあ者の方から、ホッと手話まつりに参加して良かったとのメールを頂いたことが、一番嬉しかったです。」とお話しがあり、救援中央本部としては、引き続き各地で「ほっと手話まつり」を開催していきたいと思います。また、NOBUさんからも「多くのお客様に喜んでいただくことができ私も嬉しかったです。マジックショーをできたことは、皆様のお陰です。今後も何かご協力できることがございましたら、お手伝いできたらと思っております。」とコメントをいただきました。

福島県本部の役員が本部事務所へ来所されました
11 月14 日午前、東日本大震災救援福島県本部の吉田本部長、西山副本部長、小林事務局長、斉藤補佐が国会議員へのあいさつ回りの前に、全日本ろうあ連盟本部事務所に来られました。挨拶のあと、今後の福島県での聴覚障害者への支援の方法について話し合いました。福島県は、福島原発事故の収束が見えない状況の中、東京電力からの補償の手続きの問題、仮設住宅の問題、放射能防御、放射能汚染土壌などの除染に対する正しい理解と対策の周知徹底の問題など、たくさんの問題を抱えていますが、福島県本部の皆さんが頑張っている様子を見、聞き、私たち中央本部も改めて頑張って支援しなくてはという気持ちにさせられまた。
皆さんも福島県の仲間を支援するために、義援金などのご協力をお願いします。

東日本大震災聴覚障害者救援中央本部震災ポスターを作成しました
2011 年3 月11 日の震災発生からの東日本大震災聴覚障害者救援中央本部の活動を掲載した、「東日本大震災聴覚障害者救援中央本部の活動~皆と共に力をあわせて復興へ~」ポスターを作成しました。3 月11 日から11 月上旬までの活動が全9枚のポスターに集約されています。サイズは、A1判(841mm×594mm)でパネルに入っています。(フレーム外寸848mm×601mm) 加盟団体のイベント・企画等で震災関連情報や
救援中央本部の活動情報の提供を通して支援の輪を広げる活動に活かしていただきたいと作成しました。
より多くの方々に復興への取り組みついて理解をしていただけるよう、今後の活動についても継続して
作成する予定です。ポスターの貸出につきましては無料です。送料は送り時・中央本部負担、返却時・依頼団体負担となります。お申込みは、救援中央本部情報・広報担当までお願いいたします。
お申込み先:東日本大震災聴覚障害者救援中央本部情報・広報担当:後藤・中村
FAX:03-3267-3445 TEL:03-3268-8847

☆☆☆ 義援金のお願い☆☆☆

被災地の聴覚障害者ら仲間の支援のために皆様のご協力をお願いします。最近、義援金の募金ペースが落ちています。被災された方はたくさんいらして、家も失い、今でも仕事が見つからなくて困っている方も多くおられます。5000 万円ではとても足りません。皆さん少しでもいいですからご協力をお願いいたします!!
① 銀行:みずほ銀行江戸川橋支店普通預金口座番号:1511276
名義:(財)全日本聾唖連盟災害救援基金代表石野富志三郎
(ザイダンホウジンゼンニホンロウアレンメイサイガイキュウエンキキンダイヒョウイシノフジサブロウ)
※みずほ銀行内(本・支店間)での振込の場合、振込手数料は免除されます。
② 郵便振替:記号00160-9-166840 名義:(財)全日本聾唖連盟
※通信欄に「東日本大震災の災害義援金」とご記入ください。
54,971,244 円(1,022 件2011 年11 月4 日現在) 義援金総額


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Posted by 六万石 at 11:01│Comments(0)全難聴
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