2013年10月07日
災害用ビブス
写真のビブスがこのたび、塩尻市の聴覚障害者に配布されました。
胸と背中に記された文字は
① 「耳が不自由です」
② 「聞こえません」
の2種類のバージョンがあり、自分の希望するほうをもらえます。
ビブスの表示文字について、いろいろいきさつがありました。その経緯を、
サイドブログ「アシタドーナル」から(少し長くなりますが)引用いたします。
2012年9月17日の記事より
このたび、福祉課より、ろう者団体・難聴者団体・手話通訳団体・要約筆記団体に対して
アンケートがありました。
原案はビブス(ゼッケン)型のものです。問題はビブスにプリントされる文字。
通訳の方々のものには要約筆記者とか手話通訳者とかが、見てわかるような文字が入ります。
私たち聴覚障害者の着用するビブスの文字としては(福祉課の案では)
「聞こえません」
というのが原案となっております。
昨年の松本のものを踏襲したものと推察します。
アンケートの回答にあたり、難聴者としては、
「聞こえません」
という文字に違和感があることを伝えました。
「耳が不自由です」
という文字にしてもらえないか、という要望を出しました。
ろう者の方々がどういう要望か、また、違った案があるかもしれません。
昨年、松本で作成した際に、難聴者からの要望を入れてつくったのかどうか、
そのへんの事情はよくわかりません。
とにかく、難聴者としては、上記のような要望を出しておきました。
2012年9月18日の記事より
災害時のビブスについて、通訳の方からのコメント(メール)
災害時のビブスのこと、通訳者の会にもアンケートが来ています。
「聞えません」には、私も違和感を感じていました。
なんか挑戦的というか、拒否してるみたいな感じで。
まあ、それでも、通訳者のビブスも含めて、
作る前に意見を求められるようになったのは、いいことですよね。
派遣通訳者の会でも、意見を集約して提出する予定です。
ではまた。
匿名は ミニトマトで。
さらに、同日、富山県の西さんからのコメント。
文句ばっかり言っている私ですが、
「聞こえません」に、
ここでもやはり難聴者が置き去りにされかねないと懸念致します。
聞こえませんに対する答えは手話通訳という事になりかねず、
文字情報の必要性(重要性)が忘れられてしまう。
今まで何度か震災ボランティアに参加してきました。
緊急避難場所が設定された瞬間、
聴者にとっても有意義な文字情報を掲示場所(掲示板)が設置すべきですが、
この最も簡単な伝達方法がもっとも対応が遅くなるのを今まで何度も経験してきています。
「聞こえません」ではなく「耳が不自由です」と耳マークの複合表記にすれば
聴覚ボランティアや社会福祉協議会関係者にも一目瞭然だと思うのです。
その上で、手話ですか?文字ですか?と当事者に聞く事が出来れば最高の対応なのかなと
何度か参加した震災ボランティアで感じました。
Posted by 西 at 2012年09月18日
「耳が不自由」という用語は、
1.義務教育でも教えられており、世間一般に知られている。
2.身体障害者手帳を持っていない、耳の不自由な高齢者にもあてはまり、汎用性がある。
3.なにより、それを身に着ける本人が、抵抗感なく身に着けられる。
以上の観点から、要望しました。
ミニトマトさんのコメントにもあるとおり、今回、
作成する前に、当事者の意見をきくという行政の姿勢には感謝しています。(ROKU)
・・・・以上のような経緯があり、今回、ビブスの文字表示に反映されたものです。
このたびの塩尻市福祉課の見識を高く評価し、感謝しております。(ROKU)
Posted by 六万石 at 17:20│Comments(0)
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