2011年06月17日

耳鳴り(3)

<投稿記事です>

耳鳴りがひどく気になるようになったのは、それから5年後、
昭和48年ごろからである。

世界史的には、中国の「文化大革命」のさなかで、
日本でも「毛沢東語録」という赤い手帳型の書物が翻訳され売れていた。

当時のテレビのワイドショウで、「中国式のハリ治療」が紹介され、
「見えなかった目が見えるようになった」
「立てなかった腰が立てるようになったと」
「聴こえなかった耳が聴こえるようになった」
「耳鳴りがウソのように消えた」
との話題を提供していた。

中国針(鍼)の治療効果のメカニズムは名古屋大学医学部でも研究中であることが、
「しんぶん赤旗」(日曜版)で紹介された。

中国ハリによる治療に最後の望みをかけ、私は、休職して上京し、
治療に専念することを決心した。

JR山手線大塚駅近くのビルの一角に「K治療」があり、
中国で直接学んできたという鍼灸師が耳専門の治療院を開いていた。

中国式のハリは日本のそれよりも一回り太くて長い。
何本も耳のまわりのツボや天頂(頭のてっぺん)にもさして、
ハリネズミのような状態で20分~30分、そのままじっとしている。

治療院では、当時の日本共産党議長・野坂参三と隣り合わせたこともある。
「1970年代の、そう遅くない時期に、民主連合政権をうちたてます」
と、野坂議長の目は、キラキラと輝いていた。

1年間続けたが、「私には」聴力の改善は全くなかった。
かえって耳鳴りはゴウゴウと鳴り出した。

(続く)                        posted by ROKU




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Posted by 六万石 at 08:41│Comments(0)耳鳴り・難聴
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