2014年09月25日
災害時の難聴者への対応

長野市内 Photo by T.Sato
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災害時における難聴者への対応について
1.難聴者はどこにもいます
身体障害者手帳を所持している者(聴力70デシベル以上損失者)は全国で約36万人。
そのうち、ろう者(手話を第一言語とする者)は、約6万人。
WHO(世界保健機関)による基準(聴力40デシベル以上損失)の難聴者は推定600万人。
補聴器店の統計では1000万人をこえています。
一つの町内に難聴者が、平均、複数名以上いるということです。
そしてそのほとんどは、手話ができません。
2.補聴器は避難所では十分に機能するとは限りません
補聴器は、静かなところでの1対1の会話では有効ですが、
避難所のようなところでは、あまり機能しません。
高性能の補聴器でも、3メートル以上離れると、会話が成り立ちません。
後ろから呼ばれても気が付きません。
ことに放送の音声は、補聴器では割れてしまい、
言葉として聞き取れません。
3.まず、文字情報掲示板
緊急避難場所が設定されたら、掲示板を設置することが第一です。
放送の内容は、逐一、掲示板に示されないと、伝わりません。
この最も簡単な伝達方法がもっとも対応が遅くなるのを、
今まで、地域の防災訓練で私たちは、何度も経験してきています。
4.耳が不自由であることを示すビブスなどが必要です。
聴障者がこれをつけていれば ボランティアや関係者だけでなく、どなたにも一目瞭然です。
また、要約筆記者、手話通訳者も、一目でわかるようなビブスを着用することが必要です。
すでに支給されている自治体もありますが、
県内のすべての自治体で支給することが喫急の課題です。
5.筆談は、誰でもできます
要約筆記者でなくても筆談はできます。
いつでも、だれでも、どこでも使用できるように、
筆談用具を避難所にも備えておくことが必要です。
筆記グループが考案・作成した「筆談ホワイトボードノート」などの活用が望まれます。
6.情報機器の設置
難聴者にとってラジオはまったく機能しません。
テレビも、字幕がついていないと機能しません。
避難所には、災害行政無線・文字表示機の設置が必要です。
(編集部)
Posted by 六万石 at
17:51
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